›April 13, 2004

鏡の国のアリス

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ひとりの青年が銭湯につかっていた。ふと気がつくと、そこはいつの間にか女湯になっていて、追い出された彼が迷い込んだのは、左右が逆になっている”鏡の中の世界”だった…美容整形医の私のところに、性転換手術の相談にきた青年が語る奇妙な体験。すべてがあべこべの世界で彼が遭遇した出来事の数かずは……。

故・広瀬正著。
小学生の時にNHKラジオ「日曜名作座」で森繁久弥氏,加藤道子氏で演じられたのを聴いたのが私と広瀬正作品の出会いでした。
中学一年の時にやっと河出書房新社から出ているハードカヴァーを入手。
(都会でもないのに仕入れてた,今は無き大東市の「エース書房」さんエライ!)

銭湯の中で鏡世界(?)に転移するくだりでは「もしぼくなら…(汗)」と真剣に悩んだものでした。
「サキソフォン」「パリティ」等にはじめて接したのもこの作品でした。

作者「広瀬正」氏は3年連続直木賞候補になったにもかかわらず「SF」というジャンルが災いしたのか,正統な評価を受けたのは没後でした。
「広瀬正とスカイトーンズ」のサックス奏者でもありましたが,最も成功したのはクラシックカー製作の世界だったようで,いまでも英語でGoogleで検索すると,世界的な作家であったことを知ることができます。

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