›June 23, 2004

ワン・フロム・ザ・ハート/One from the Heart

Posted by raildog at 01:10 AM / Category: music / 0 Comments



トム・ウェイツとクリスタル・ゲイルというまったく音楽性の異なる変わり種コンビによる小粋なラウンジ・サウンドの音楽は、レトロなジャズのリヴァイヴァルよりも軽く15年も早く作られ、あらゆる点で優れている。

デジタル・リマスタリングをかけられクリアになった本作は、ウェイツの名高いキャリアの中でもこれまでになくキャッチーなメインストリームの音楽であり、皮肉なことに一番の異色作でもある。
ウェイツの耳障りながなり声は、気まぐれな感情の渦に巻きこまれた恋人たちの会話という形をとり、ゲイルの歌姫としての驚くほどブルージーな声とまったく対照的だ。本作のウェイツの音楽は、音数を抑えた巧みで鬱々としたボーンズ・ハウのプロダクションと、ベースのグレッグ・コーエン、サックスのテディ・エドワードスム、バンドのキーとなる叙情的で悲しげなジャック・シェルドンのトランペットというベテランのジャズ・アーティストにバックアップされている。


この映画は学生時代のとある週末,終電に独り乗り遅れ,いまはなき大阪駅近くの某映画館のオールナイトで観ました。
コッポラいわく『エレクトロニック・シネマ」…あぁ,これが「ムービー」ではなく「シネマ」って奴か!と意味不明の納得をしながら始発電車の走るころまで繰り返し観て…
興奮醒めやらぬうちに,行きつけの輸入レコード店「OPEN ROAD」(先日横を通ったら,美容室になってました〜涙)でレコードを購入,後年LDなるものが登場した時には即購入というお決まりの惚れパターンでした。
あとはDVDが出ないか?と思っていたら,やっと先日発売されて,またトム・ウェイツとクリスタル・ゲイルに酔わされてます。

勿論,音楽だけでなく,映画自体も素晴らしいものでした。私好みで。
フレデリック・フォレスト(渋),テリー・ガー(烈),ナスターシャ・キンスキー(艶),ラウル・ジュリア(謎)…これが商業的に大失敗したときいて驚いた記憶があります。(そういえば映画館ガラガラでしたが)

とりあえず,この作品(映画と音楽),眠れない夜にお薦めです!

›June 09, 2004

ニューオリンズ・トライアル/Runaway Jury

Posted by raildog at 06:37 PM / Category: movies / 0 Comments

ニューオリンズ・トライアル

『この審判は…・・・プライドの殴り合い』

ニューオーリンズの証券会社で銃の乱射事件が勃発。犯人は11人を殺害し、5人に重傷を負わせたのち自殺を遂げた。それから2年後、犯行に使われた銃の製造と販売責任をめぐり、犠牲者の未亡人のひとりが民事訴訟を起こした。訴えられたのは、大手の銃器メーカー。もしも彼らがこの裁判に負ければ、全米中で同様の訴訟の嵐が巻き起こるのは必至だ。
絶対に勝たねばならない闘いを前に、被告側は伝説の陪審コンサルタントを雇い、評決の鍵を握る陪審員に対して裏工作を進める。その渦中で、暗躍を始める9番目の陪審員ニック・イースター。謎めいた過去を持つ彼は、ある目的を持って、今回の陪審団に潜り込んでいた。果たして、その目的とは何なのか? そして、原告・被告の双方に「陪審員売ります」のメモを送りつけたマーリーの正体とは?

ジョン・グリシャムの「陪審評決」の映画化,『ニューオリンズ・トライアル』を観てきました。

映像化にともない,原作では「タバコ会社」だった部分が「銃器メーカー」に,舞台は「ミシシッピ」から「ニューオリンズ」へと変っておりますが,これが終始緊張感と,独特の空気感を生み成功しているように思います。

とにかくジョン・キューザック,ジーン・ハックマン,ダスティン・ホフマンというキャスティングが最高です!

【ジーン・ハックマン&ダスティン・ホフマン初共演!】
売れない時代にホフマンが,一時ハックマン宅に居候したくらいの旧交のある二人ですが,なんと共演ははじめてだそうです。
…ちょっとこの2人の配役を入れ換えたヴァージョンも観てみたい気も致しました。